肩こりは揉むべきではない理由と、その代わりに行うべき体操
肩こりは現代人にとって非常に一般的な悩みです。特に、デスクワークやスマートフォンの使用が増える昨今、多くの人が慢性的な肩の痛みや張りを抱えています。しかし、肩こりを解決するためには単純に肩を揉むだけでは不十分です。今回は、肩こりのメカニズム、揉むことが悪化を招く理由、そして効果的な体操について、人体の構造に基づいて詳しく解説します。
●肩こりとは何か
肩こりとは、肩の周囲の筋肉がバランスを崩し、痛みや不快感を引き起こす状態を指します。多くの人が「肩こり」と聞くと、肩の筋肉の疲労や張りを想像しますが、実際にはそれに伴う様々な症状もあるのです。肩こりの症状は、首の痛み、頭痛、背中の痛み、さらに手や腕のしびれまで及ぶことがあります。これらは全て、肩の筋肉の緊張や姿勢の悪さが原因で引き起こされます。
● 胸のこりとの関連
肩こりは胸の筋肉とも深い関係があります。実際、肩や首の筋肉が緊張すると、それが影響して胸の筋肉も硬直します。この硬直は、呼吸を浅くしたり、不正な姿勢を引き起こす原因となります。胸が固くなると猫背になり肩に更なる負担がかかって肩こりを悪化させる悪循環が生まれます。そのため、肩こりを解消するには胸の筋肉の柔軟性も重要です。
●肩こりは揉んではいけない理由
多くの人は、肩がこったときにマッサージや揉みほぐしを選択しますが、実はこの方法が逆効果であることが多いのです。肩を揉むことによって、一時的に痛みが和らぐ場合もありますが、筋肉に対する刺激が更なる緊張を引き起こすことがあります。なぜなら、揉むことによって筋肉が一時的に緩むと、体がその緊張を解消しようとする無意識の反応をするため、逆に筋肉が過剰に収縮してしまうことがあるからです。
更に、多くの肩こりは筋肉の弛緩が原因になっている事が多く見られます。肩がこる=筋肉が縮んでいる と思われがちですが、そのほとんどが逆で「筋肉が伸びきってしまって力が入りにくい状態」になっているのです。
● 筋肉と骨格の関係
肩こりを解消するためには、まずは人体の構造について理解することが重要です。私たちの体は、筋肉と骨格が密接に関わり合っています。特に肩周りの筋肉は、肩甲骨や鎖骨、背骨との連携によって動いています。これらの関係性を無視してしまうと、肩こりの根本的な原因を見逃してしまいます。例えば、肩甲骨の動きが制限されると、肩の筋肉に余計な負担がかかるため、積極的に肩甲骨を動かすことが重要です。
●神経系の影響
人体の構造の中で、神経系も肩こりに大きな影響を与えています。肩や首にある神経が圧迫されると、痛みや不快感が増します。この神経圧迫は、筋肉の緊張が引き起こすことが多いとされています。したがって、肩こりを解消するためには神経を解放することも必要です。これには、適切なストレッチや体操が非常に効果的です。
●肩こり改善のための体操
・左右の肩甲骨を力いっぱい近づけたり離したりする
・ぶら下がる
・逆立ちをする
・ラジオ体操を真剣にやる
これらがとても有効です。
揉まずに動かす事を続けていれば、ほとんどの肩こりは改善していきます。
それでもダメな時は当院「手技のかみだいら」で相談してみて下さい。