はじめに、ここでいう捻挫は一般的な内反捻挫と定義してお話していきます(足の裏が内側を向くような怪我で外くるぶし周辺が腫れる物)
まずは病院へ(笑)
何度か捻挫の経験のある方なら「骨が折れる程だったか、靭帯が切れる程だったか」を感覚的にある程度分かるはずなので、今までに経験した事のない痛みや腫れが来た時は、やはり整形外科に行きレントゲンやその他の映像所見で診断を仰ぐのが一番正しいです。
接骨院や整骨院には診断できる機器も無ければ診断を下せる法的権限も無い事をまずは知っておきましょう。
「骨折や靭帯損傷という程じゃないな」と判断できるようなら、病院すら必要ありません。
その事を以下にまとめます。
冷やす?湿布?痛み止め?テーピングで固定する?
病院では定番の処置ですが個別に解説していきます。
冷やすべきか?
内部で炎症が起こっていれば腫れ上がってきますが、これは修復工事が始まっている証拠です。
熱を上げ血管を拡張する事で代謝能力を引き上げ、細胞たちが大慌てで痛めた部分の修復工事にとりかかるわけで、これを直ちに冷やしたらどうなるかを想像してみて下さい。
冷湿布と呼ばれるものも同じ事で、熱を持っているから冷やすというのは体の修復を遅らせるだけで、喜ぶのは医者と薬屋さんだけです。
飲み薬の痛み止めは?
痛めた所に負担が掛れば当然痛みが出て「そっちには曲げないで下さい!」と教えてくれます。これを痛み止めを飲んで分からなくなったらどうなるか想像してください。
この事は腰痛のブロック注射などにも同じ事が言えます。痛み止めは痛み止めなのです。内部の環境が整い治癒したのではありません。
歯医者さんに行った後で麻酔が効いているからと言って治療したばかりの場所で硬い物を噛む人はいないのに、何故だか整形分野では横行している謎の現象です。
ただし、安静にしていてもズキズキと疼き、眠ってもいられないといった場合には例外的に冷やしたり痛み止めを飲んでも良いですが、体は迷惑しているという事を忘れないで下さいね。
テーピングは高い技術が必要
固定すれば良いという考え方は骨折でもない限りは不要であり、有害です。
内反捻挫におけるテーピングは誘導するものとして使うのが上手な使い方です。
どの方向に関節を引き伸ばしたのかを正確に見極め、怪我をした方向に関節が行ってしまわないように少しだけ誘導しておいてあげる、という事が出来るセラピストならお願いするのも良いでしょう。(当院では医療行為になるため実施しておりません)
もしもどこかでグルグル巻きにするような固定をされたら、帰宅後に全部はがしてください。
その理由は、外側の靭帯を伸ばして痛めている形状をそのまま固定する事で炎症が止まってからもその形を維持し続ける事になり、「捻挫が癖になる」という現象を引き起こすからです。
お勧めの手当ての仕方をお伝えします
内反捻挫の場合、体重が小指側(外側)に乗り過ぎたために起こります。これは多くの場合「元々外側に重心がかかりがちだった」事が考えられ、まずはその癖を少し緩和します。
手当て ①足の指を動かす
足の外側に体重が乗っていたとすると小指、薬指、中指辺りに頑張り癖のようなものがあります。とくに重要なのは薬指です。
この三本の指を1本づつ手でつまみゆっくりと回します。足首に決して痛みが出ないよう、優しく回してあげましょう。特に薬指は入念に。
手当て ②足の裏を軽く指圧する
指のこわばりは足の裏まで広がっている事があります。親指方面はあまり必要が無く真ん中から外側(小指方面)を主に、足首に痛みが出ないように指圧していきましょう。
手当て ③内くるぶしの周りを指圧する
外側の靭帯を伸ばしたわけですから、逆の仕事をしている内側はおのずと縮まってきます。特に内くるぶしの後ろ(アキレス腱方面)や内くるぶしとかかとの間付近は入念に指圧していきます。アキレス腱の内側辺りも効果的です。
後は痛みの出ない生活を徹して下さい。
早ければ48時間、酷い物でも2週間でほとんど完全回復できます。
また当院「手技のかみだいら」でも捻挫後の後遺症や、既に捻挫癖になっている足首も施術可能です。
お悩みの際は是非ご相談ください。