現代社会では、長時間のデスクワークや移動の際の姿勢が原因で、腰痛に悩む人が増えています。特に最近では在宅ワークをする方も増えた事もあり、自宅の座敷でパソコン作業をする方も多い事でしょう。

女性に多い「横座り」と呼ばれる座り方、男女ともに見られる「足を組む」姿勢は股関節や腰に多大な悪影響を及ぼしています。この記事では、これらの姿勢がもたらす影響について解説し、正しい姿勢を維持する方法についても紹介します。

 

 

 

股関節と腰痛の関係

 

股関節は、私たちの身体の中でも非常に重要な役割を果たす関節です。日常的な動作はもちろん、運動時にも欠かせない存在です。しかし、この股関節が正しく動かない場合、体全体に悪影響を及ぼします。特に、股関節が歪んでくると体全体の重心の位置がずれこみ、結果的に腰痛の原因となることがあります。

股関節の歪みが始まると、その上に乗っている骨盤の位置は真っすぐではいられなくなります。

特に股関節は人体の関節の中でも可動範囲が大きく、自由度の高い関節なので、歪んだ時のふり幅も他の関節とは桁違いです。

 

 

 

股関節の役割り

 

股関節をバランスよく使う事は日常生活を快適に行うために非常に重要です。可動域が狭くなった例をご紹介すると分かりやすいでしょう。

体前屈をしてどこまで前屈できるかを見ておきます。次に骨盤の角度を変えずにどこまで前屈できるかやってみましょう。

比べ物にならない程前屈できない筈です。骨盤の角度が動き初めたタイミングで股関節が前屈運動をお手伝いしているわけですね。

一般には「股関節が固い=脚が開かない」事だけに注目されがちですが、様々な場面で股関節は体の動きを手伝ってくれている事が分かります。

 

 

横座りや足を組む姿勢は、股関節にアンバランスなストレッチをかけているようなもので、このような不自然な姿勢が続くと股関節や腰に痛みを感じるようになるのは当然と言えます。日々の生活で少しずつでも股関節を歪ませないようにすることが腰痛予防に繋がります。

 

 

 

足を組むことの影響

 

足を組むことは、多くの人が無意識に行っている姿勢の一つです。短時間ではあまり影響はありませんが毎日数時間となるとその影響は甚大になります。

男性に多い組み方で、膝を開いたようにして足を組めば上の足の股関節が開きすぎた状態で癖が付き、体重は下にしている脚の方にかかりやすくなります。

いつも右足をこのようにして座っている方は仰向けで寝て脱力すると右足のつま先が極端に外向きに開きます。

 

女性に多い組み方で、下の脚の膝が見えるほど深く組む組み方は、脚を閉じる時に使う筋肉を硬くし、開く時に使う筋肉を伸ばし過ぎてしまいます。

このような組み方をしている女性は泌尿器系、婦人科系がバランスを崩しやすく、冷えやむくみにも繋がって行きます。

 

また、脚を組むときは100%腰を丸めて座っている事も覚えておきましょう。

骨盤を正し、良い姿勢のままで脚は組めないので実験してみて下さい。

 

 

 

 

横座りの影響

 

「横座り」は別名「お姉さん座り」とも呼ばれますが、正座の状態から足先を横に外した格好になります。

この座り方は大腿骨を可動域一杯近くまで捻じるので、非常に良くない座り方です。

これを日常的にやっている多くの人は「反対では座れない」と言い、歪みの自覚までしっかりあるはずです。

 

 

 

正しい姿勢を練習しましょう

 

 

・椅子での座り方

 

椅子で座る時は骨盤の真ん中の骨(仙骨)を垂直にする意識で座りましょう。姿勢を気を付けようと意識しすぎると反り腰を作ってしまうので、やや骨盤を立てる程度の意識が丁度良いでしょう。

脚を組まないように意識する必要はありません。先述したように骨盤を立てる座り方をしていれば脚は組めないのですから。

 

もう一つは顔が前に行かないように意識する事です。初めは作業がしにくいと思いますが、習慣付ける事に成功した時の恩恵は計り知れないものがありますよ。

 

 

・座敷での座り方

 

座敷で長時間座る時は正座が比較的理想ではありますが、長時間になると膝や足首に負担がかかります。

その時は座布団を1枚用意し、二つ折りにした状態で「馬」を作り、縦にして床に置き馬乗りするような状態で正座すると良いです。

 

あぐらに関しても座布団を使い、二つ折りにして横に置き、お尻だけを座布団に乗せあぐらをかきます。仙骨が立ちやすくなるのが分かるでしょう。

 

椅子と同様、顔を前に出さないように意識して下さい。

 

 

 

 

横座りや足を組む姿勢を日常の習慣から出来るだけ排除すると、みるみる体が元氣を取り戻しますので是非挑んでみて下さい。